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システム開発

SaaSとオリジナルシステム、どちらを選ぶべき?中小企業向けに判断基準を解説

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「業務をシステム化したいが、既存のクラウドサービス(SaaS)を導入すべきか、自社専用のシステムを作るべきか分からない」と迷っていませんか?

結論からお伝えすると、判断の軸はシンプルです。「どの会社でも同じやり方の業務」はSaaS、「自社ならではのやり方が強みになっている業務」はオリジナルシステムが向いています。

本記事では、SaaSとオリジナルシステムの違いを整理したうえで、自社がどちらに向くかを見極める5つの判断基準と、費用を無駄にしない組み合わせ方を解説します。

結論:「どの会社でも同じ業務」はSaaS、「自社ならではの業務」はオリジナル

まず答えを示します。

  • 勤怠管理・会計・経費精算・チャットのように、どの会社でもやり方が大きく変わらない業務は、SaaSを使うのが安くて早い
  • 案件管理・日報・原価管理のように、自社の業務フローそのものが他社との違いになっている業務は、オリジナルシステムが力を発揮する

そして実務では、どちらか一方に全部を寄せるのではなく、業務ごとに使い分ける「組み合わせ」が最適解になるケースが大半です。この前提を持ったうえで、それぞれの違いを見ていきましょう。

基礎知識:SaaSとオリジナルシステムの違い

**SaaS(サース)**は、インターネット経由で使える既製のソフトウェアサービスです。月額料金を払って利用するもので、洋服でいえば「既製服」にあたります。すぐ着られて安い代わりに、体型(=自社の業務)に完全には合いません。

オリジナルシステム(スクラッチ開発・受託開発とも呼ばれます)は、自社の業務に合わせて開発するシステムです。いわば「オーダーメイドの服」で、体型にぴったり合う代わりに、時間と費用がかかります。

両者の違いを表にまとめます。

項目SaaSオリジナルシステム
初期費用ほぼ不要なことが多い開発費がかかる(規模により数十万円〜)
継続費用月額 × 利用人数(人数が増えると増える)保守・サーバー費用(人数ではあまり増えない)
使い始めるまで申し込めば当日〜数日要件整理と開発で数か月
業務への適合業務をサービスに合わせるサービスを業務に合わせる
機能の追加・変更サービス側の対応待ち。個社要望は基本通らない自社の判断で追加・変更できる
他システムとの連携用意された範囲でのみ可能業務に合わせて自由に設計できる

どちらが優れているという話ではなく、向いている業務が違うというのがポイントです。

SaaSが向いているケース

次のような場合は、迷わずSaaSから検討してください。

業務のやり方がどの会社でも大きく変わらない

勤怠・会計・給与・経費精算・チャット・ファイル共有などは、自社独自のやり方をする意味がほとんどない業務です。この領域のSaaSは競争が激しく、安くて完成度が高いため、オリジナルで作る理由がありません。

まず小さく試したい

多くのSaaSは無料トライアルや低額プランがあり、失敗してもやめればいいという気軽さがあります。システム化の第一歩として、リスクが小さい選択肢です。

社内にIT担当者がいない

SaaSはサーバーの管理やセキュリティ対策をサービス提供側が行います。専任のIT担当者を置けない会社にとって、この「運用を任せられる」価値は大きなメリットです。

オリジナルシステムが向いているケース

一方、次のサインがある業務は、オリジナルシステムを検討する価値があります。

業務フローそのものが自社の強みになっている

たとえば「多品種少量の注文を独自の段取りでさばいている」「見積もりの精度が他社より高い」など、業務のやり方自体が競争力になっている場合。その業務をSaaSに合わせて標準化すると、強みごと失うことになりかねません。

SaaSを導入したのにExcelが残っている

SaaSを契約したのに「SaaSに入れる前の整理用」「SaaSでできない集計用」のExcelが増えていく――これは、サービスと業務が合っていないサインです。二重入力の手間はシステム化前より増えることさえあります。

複数の業務をつなげて管理したい

案件・日報・原価・請求のように、業務同士がデータでつながっている場合です。別々のSaaSを業務ごとに契約すると、データが分断され、突き合わせ作業が残ります。一連の流れを1つにまとめられるのは、オリジナルシステムの得意分野です。

利用人数が多く、月額の合計が膨らんでいる

SaaSの料金は「月額 × 人数」で増えていきます。利用人数が多い会社では、数年分の利用料がオリジナル開発の費用に届いてしまうことがあります。

判断基準:5つの質問で自社に合う方を見極める

ここまでの内容を、実際に判断するための5つの質問に落とし込みます。

質問1:その業務は「どの会社でも同じ」か「自社ならでは」か

最初にして最大の分かれ目です。迷ったら「同業他社がそのまま真似できる業務か?」と考えてみてください。真似できる業務ならSaaS、真似できない業務ならオリジナルに寄せる価値があります。

質問2:業務のやり方をSaaSに合わせられるか

SaaS導入は、多かれ少なかれ「業務をサービスに合わせる」ことを求めます。それが業務改善になるなら歓迎すべき変化です。ただし、合わせるコストを払うのは現場です。現場が無理をしないと回らない合わせ方になりそうなら、慎重に判断してください。

質問3:5年間の総額で比べたか

SaaSは初期費用が安く、オリジナルは初期費用が大きい。この見た目の差だけで比べると判断を誤ります。「月額 × 人数 × 60か月」と「開発費 + 保守費 × 60か月」のように、同じ期間の総額に揃えて比べてください。費用の内訳や考え方は「システム開発はいくらかかる?中小企業向けに費用の相場と考え方を解説」で詳しく説明しています。

質問4:他の業務・システムとつなげる予定があるか

今は単体の業務でも、将来「日報と原価をつなげたい」「請求まで自動化したい」という構想があるなら、その到達点から逆算して選ぶ必要があります。つなげる予定が明確なら、最初からオリジナルで土台を作るほうが結果的に安くつくことがあります。

質問5:「今すぐ」必要か、「育てて」いきたいか

繁忙期が迫っている、人が辞めて業務が回らないなど、今すぐ解決が必要ならSaaSの速さが正義です。一方、自社の中核業務を数年かけて良くしていきたいなら、自社の判断で機能を足していけるオリジナルが向いています。

よくある失敗パターン

どちらを選ぶにしても、避けたい失敗があります。

「無料・安いから」だけでSaaSを選ぶ

料金だけで選ぶと、データの持ち出し(エクスポート)ができない、プラン変更で急に高くなる、といった問題に後から気づきます。SaaSを選ぶときは**「やめるとき・乗り換えるときにデータを持ち出せるか」**を必ず確認してください。

最初からオリジナルで全部作る

「どうせ作るなら」と勤怠も会計も含めて全部オリジナルで作るのは、費用がかさむ典型パターンです。SaaSで足りる業務まで作り込む理由はありません。

比較検討だけで半年過ぎる

「もっと良いサービスがあるかもしれない」と比較を続けて、結局Excel運用のまま……というケースも少なくありません。完璧な選択より、小さく始めて確かめるほうが早く答えに辿り着きます。

ByteBloomの視点:実際の答えは「組み合わせ」になる

システム開発会社であるByteBloomが言うのも変かもしれませんが、実際にご相談を受けて「それはSaaSで十分です」とお答えするケースは珍しくありません。オリジナル開発が価値を発揮するのは、あくまで自社ならではの業務に限られるからです。

ByteBloomが開発を支援した製造業のお客様も、すべてをオリジナルにしたわけではありません。オリジナルで作ったのは、紙の日報を起点に工数・原価・請求へつながるこの会社の中核フローの部分です。開発も最初から全部ではなく、日報の入力と集計から小さく始め、効果を確認しながら原価・請求へと広げました。このケースの具体的な変化は「紙・Excelの日報をWeb化すると何が変わる?日報システム導入のメリット」で紹介しています。

もう1つ、実務でおすすめしている進め方があります。迷ったら、まず候補のSaaSを無料トライアルで2週間使ってみることです。合えばそのまま導入すればよく、合わなくても「どこが合わなかったか」が具体的に見えます。その「合わなかった理由」こそが、オリジナルシステムを作るときの要件そのものになるため、トライアルは無駄になりません。

まとめ:業務ごとに使い分け、総額で比べる

  • どの会社でも同じやり方の業務(勤怠・会計など)は、SaaSが安くて早い
  • 自社の業務フローが強みになっている業務は、オリジナルシステムが向く
  • 「SaaSを入れたのにExcelが残る」「複数業務をつなげたい」はオリジナルを検討するサイン
  • 初期費用ではなく、5年間の総額で比べる
  • 実際の最適解は、SaaSとオリジナルの組み合わせになることが多い

SaaSかオリジナルかは、対立する選択肢ではありません。自社の業務を「共通の部分」と「強みの部分」に切り分けられれば、答えは自然に見えてきます。

どちらが合うか、一緒に整理したい方へ

ByteBloomでは、いきなり開発を提案するのではなく、業務フローを確認したうえで「SaaSで足りる部分」「作るべき部分」を切り分けてご提案しています。SaaS選びだけのご相談も歓迎です。

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