Excelでの案件管理に限界を感じたら?業務システム導入を検討する5つのサイン

「Excelで案件管理をしているものの、案件や人が増えて管理しづらくなってきた」と感じていませんか?
結論からお伝えすると、Excelそのものが悪いわけではありません。案件数が少なく、更新する人も限られているうちは、Excelは十分に優秀な管理ツールです。ただし、複数の人が同じ情報を同時に更新するようになったとき、Excelは限界を迎えます。
本記事では、実際に製造業の案件管理システムを開発してきたByteBloomが、Excel管理に限界が来ている5つのサインと、システム化を検討するタイミングを解説します。
結論:Excelの限界は「量」ではなく「同時に更新する人数」で来る
Excel管理の限界は、ファイルが重くなったときに来ると思われがちです。しかし実際にお客様の業務を見ていると、限界が来るのは複数の部署や担当者が、同じ情報を同時に更新し始めたときです。
1人で10件の案件を管理するなら、Excelで何の問題もありません。一方で、営業が見積を入れ、現場が進捗を更新し、事務が請求をまとめる——という状態になると、ファイルの分裂や転記作業が一気に増えます。
この記事で紹介する5つのサインのうち2つ以上当てはまるなら、システム化を検討する段階に入っています。
Excelでの案件管理に限界が来ている5つのサイン
サイン1:「最新版はどれ?」ファイルが複数出回っている
「案件管理表_0815_最新_修正版.xlsx」のようなファイルが増えていませんか?
コピーが出回るのは、複数人が同じファイルを触る必要が出てきた証拠です。誰かが古い版を上書きすれば、入力した情報は消えます。「最新版を探す時間」と「消えた情報を入れ直す時間」は、どちらも本来不要な作業です。
サイン2:案件の進捗が、担当者に聞かないと分からない
「あの件、今どうなってる?」という質問が社内で飛び交っているなら要注意です。
進捗が管理表ではなく担当者の頭の中にある状態を「属人化(ぞくじんか)」と呼びます。特定の人しか状況を知らない状態のことです。属人化が進むと、担当者が休んだだけで案件が止まり、退職すれば経緯ごと分からなくなります。
サイン3:同時編集の待ちや、上書き事故が起きている
「今〇〇さんがファイルを開いているので編集できない」という待ち時間が発生していませんか?
共有フォルダのExcelは、基本的に同時編集に向いていません。クラウド版の共同編集機能もありますが、入力ルールが統一されていないと、行のズレや数式の破損が起こりがちです。編集の順番待ちが日常になっているなら、ツールが業務規模に合わなくなっています。
サイン4:日報・見積・原価が案件とつながっていない
案件管理表、見積のExcel、紙の日報——と情報がバラバラになっていないでしょうか。
情報が分かれていると、それらをつなぐ「転記」と「集計」の作業が人力になります。例えば紙の日報から工数を拾って案件ごとに集計する作業は、案件が増えるほど膨らみ、ミスも起きやすくなります。
サイン5:儲かっている案件がどれか、月を締めるまで分からない
案件ごとの原価や利益を、リアルタイムで把握できているでしょうか。
集計が月末の手作業に依存していると、赤字案件に気づくのは「終わった後」になります。走っている最中に「この案件、原価がかさんでいる」と分かれば手が打てますが、Excelの分散管理ではこのスピード感を出しにくいのが実情です。
なぜExcelでは限界が来るのか
原因はシンプルで、Excelは「1人が1つの表を管理する」ことが得意なツールだからです。
複数人・複数部署で使い始めると、次のことが起こります。
- ファイルを共有するほど、コピーと版ずれが増える
- 入力ルールが人によって違い、集計時に手直しが要る
- 表と表(案件・日報・見積・原価)のあいだを人力の転記がつなぐ
つまり、案件数や関係者が増えるほど「管理のための作業」が雪だるま式に増える構造になっています。担当者の頑張りで回っているうちは表面化しませんが、その頑張り自体がサイン2の属人化です。
解決の選択肢は3つ。いきなり開発する必要はない
限界を感じたからといって、すぐにオリジナルのシステムを開発すべきとは限りません。選択肢は大きく3つあります。
| 項目 | Excel運用の改善 | SaaS(既存クラウドサービス) | オリジナルシステム開発 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | ◎ ほぼゼロ | ○ 低い | △ かかる |
| 導入スピード | ◎ すぐ | ◎ 早い | △ 数か月 |
| 自社業務への適合 | △ 工夫次第 | ○ 合えば十分 | ◎ 業務に合わせて作る |
| 複数人での同時利用 | △ 苦手 | ◎ 得意 | ◎ 得意 |
| 日報・原価などとの連携 | △ 人力転記 | △ サービスの範囲内 | ◎ 一元管理できる |
目安は次のとおりです。
- Excel運用の改善で足りる会社:更新するのがほぼ1人。件数も少ない。入力ルールの統一とファイルの一本化で解決することも多い
- SaaSが向く会社:一般的な案件管理・タスク管理の型に自社の業務が合う。まず月額数千円〜のサービスで試したい
- オリジナル開発が向く会社:案件・日報・原価・請求のように複数の情報をつなげたい。自社特有の業務フロー(工番管理など)があり、既存サービスでは型が合わない
ByteBloomの実例:紙の日報とExcel集計をシステム化した製造業のケース
ByteBloomが実際に開発を支援した、製造業のお客様の例を紹介します。
導入前の状態は、まさに本記事のサイン4・5でした。日報は紙で提出され、事務担当者がタイムカードや申請と突き合わせて集計する。勤怠の集計だけで毎日1時間かかっていました。
そこで、スマホ・PCから入力できる日報システムを開発し、原価・請求の集計まで自動化しました。導入後に業務ごとの作業時間を測定したところ、次のような結果になりました。
| 業務 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 勤怠集計(タイムカード・申請確認) | 毎日1時間 | 毎日5分 |
| 日報入力 | 毎日30分 | 毎日20分 |
| 納品済ファイルの集計 | 毎日1時間 | 毎日45分 |
毎日の業務だけで1日あたり約80分の削減です。年間に換算すると300時間を超える計算になります(この数値はこのお客様での実測値であり、効果は業務内容によって変わります)。
すべてをシステムに置き換えたわけではない
このケースで大事なポイントは、Excelを全部捨てたわけではないことです。
工番表(工事番号を管理する台帳)は、現場が使い慣れたExcelのまま残しました。そのうえでマクロを組み、工程管理ツールのJooto(ジョートー)にデータを反映させて、工程の見える化を実現しています。
うまく回っているExcelまで無理に作り替えると、費用も現場の負担も増えるだけです。「どこをシステム化し、どこをExcelのまま活かすか」の線引きこそが、システム化の成否を分けます。
まとめ:2つ以上当てはまったら、検討を始めるタイミング
最後に、5つのサインを振り返ります。
- 「最新版はどれ?」ファイルが複数出回っている
- 案件の進捗が、担当者に聞かないと分からない
- 同時編集の待ちや上書き事故が起きている
- 日報・見積・原価が案件とつながっていない
- 儲かっている案件がどれか、月を締めるまで分からない
2つ以上当てはまるなら、Excelの頑張りだけで支える段階は過ぎています。ただし、解決策は必ずしもオリジナル開発ではありません。Excel運用の改善やSaaSで十分なケースもあります。
Excel管理の見直しを相談したい方へ
ByteBloomでは、現在の業務フローを確認したうえで、SaaS導入・既存Excelの活用・オリジナル開発を含めて、その会社に合った方法をご提案しています。今回紹介した製造業の事例のように、「システム化する部分」と「Excelのまま活かす部分」の線引きからご一緒します。
- 実際の開発事例は開発実績・事例のページで紹介しています
- 業務システム開発の進め方はサービス紹介のページをご覧ください
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